アクセス

ヘアメイクアーティストになるには?必要なスキルや仕事内容を紹介!

職業詳細

人を美しく輝かせる美容系のお仕事。美容師、エステティシャン、ネイリストなどさまざまな職種がありますが、なかでも雑誌やテレビなどに出演するモデルやタレントのヘアメイクを担当する「ヘアメイクアーティスト」に憧れる人も多いのではないでしょうか?

 

では、ヘアメイクアーティストのお仕事とはどのようなもので、なるためには何を学べばいいのでしょうか。ヴィーナスアカデミーの卒業生で、株式会社PUNCHに所属するヘアメイクアーティストの倉橋奏音(かなね)さんに解説をしてもらいました。

 

ヘアメイクアーティストの仕事内容

髪やメイクだけでなく、美容に関してトータルでサポートする

ヘアメイクアーティストというと、具体的にはどのような仕事をするのでしょうか。

 

「メディアに出ているモデルやタレント・芸能人といった方のヘアメイクを担当するのが主な仕事になります。メディアもさまざまで、雑誌やテレビ、ドラマや映画、広告やファッションショーなどがあります。“ヘアメイク”というと髪とメイクだけに関わっているように思うかもしれませんが、ネイルやファッションなど美容に関してトータルでサポートすることも仕事です。

 

また、私が所属している株式会社PUNCHは幅広く事業を展開しているので、ヘアメイクスクールの講師になったり、メイクサロンで一般の方にヘアメイクをすることもあります」(倉橋さん)

 

相手を“作品”としてきれいにするのがヘアメイクアーティストの仕事

AdobeStock_332631035.jpeg

 

美容師になるには美容師国家試験に合格して資格を取得する必要がありますが、ヘアメイクアーティストになるために絶対に必要という資格はありません。ですが、美容師免許があった方が仕事の幅は広がります。

 

また、ヘアメイクアーティストと美容師では、相手に対しての向き合い方が違うのかなと思います。美容師はお客様と1対1で向き合い、お客様の要望やライフスタイルに合わせて髪を切ったり、パーマやカラーをしたりします。ヘアメイクアーティストは、ライフスタイルというより、その時の撮影の内容やテーマに合わせることや、雑誌・テレビなどのメディアに映った時の姿が“作品”として完成されたものにすることを意識しています。

 

テレビでは親近感が大切なので、その人の良さを最大限に生かすことはもちろん、役柄や性格をヘアメイクに落とし込むこともあります。雑誌やファッションショーなどは完成した時の仕上がりを大切にするため、メイクを濃いめにしたり、普段の生活時にはしないようなヘアスタイルを施したりします。

 

また、私はアーティストやミュージシャン、アイドルの方のビジュアルサポートに携わらせていただくこともあるのですが、音楽の方向性やテイスト、ファン層を意識してヘアメイクを提案させていただいたりすることもあります」

 

ヘアメイクアーティストのやりがいや魅力

手掛けたヘアメイクが高評価を受けた時にやりがいを感じる

芸能界のモデルやタレントと対面でヘアメイクを施すということもあり、その華やかさが魅力だと思います。ほかにどのようなやりがいや魅力がありますか。

 

「自分がヘアメイクを担当したの雑誌やテレビ、ミュージックビデオなどが世に出た際、それを見た読者や視聴者が『今回の○○さん素敵!!」といった感想を寄せてくださった時はやりがいを感じます」

 

雑誌やテレビなどの作品作りに携わることができる

「雑誌やテレビには多くの職種の方が関わっていますが、その作品作りに自分が携われるというのが魅力です。作品のエンドロールやクレジットにヘアメイクとして自分の名前が乗ると達成感があります。ドラマのお仕事をさせていただいた時は家族もとても喜んでくれてうれしかったです」

 

毎日違う現場でさまざまな経験ができる

「雑誌やテレビ、ファッションショー、広告やミュージックビデオなど、毎日さまざまな現場に行くので、そこで多くの刺激を受けています。いろいろな経験ができるというのも魅力です」

 

ヘアメイクアーティストを目指す前に知っておきたいこと

技術だけでなく撮影全体のことを考えられる「思いやり」が大事

AdobeStock_447031364.jpeg

 

ヘアメイクアーティストはヘアメイクをするのがお仕事ですから、やはりその技術が大事なのでしょうか。

 

「技術も大事ですが、それと同じくらい求められるのは 『思いやり』だと私は思います。

『ヘアメイクアーティストに向いてる人は?』と聞かれたら、これが大事なポイントだと考えます。

 

ヘアメイクアーティストの仕事は、ヘアメイクのことだけ考えていればいいというわけではありません。撮影全体がスムーズにいくように動いたり、撮影現場の雰囲気や空気感も大切にしています。

 

アシスタント時代は特に、師匠より早く現場に着いて準備することはもちろん、師匠がモデルさんにメイクを始めれば、モデルさんの反応を見ながら、撮影までに良いコンディションを作れるようにサポートしたりもします。私の場合は、ヘアメイクKOBAさんのアシスタントとして2年ほどつかせていただき、アシスタント時代は技術がまだないからこそ、さまざまな『思いやり』や『気づかい』で技術と同じぐらい大切なサポートが出来ることを学びました。なので、プロのヘアメイクアーティストになるために、まずは“プロのスーパーアシスタント”になることを目標にしてきました」

 

ヘアメイクだけでなく、美容に関するさまざまな知識が求められる

ヘアメイクアーティストになるための特別な資格は必要ないとのことですが、やっておいた方がいい勉強、身に付けておくべき知識などはありますか。

 

「技術はもちろんですが、美容・ダイエット・ファッションなど、あらゆる知識が必要になります。ヘアメイクを施すモデルさんには美容に詳しい方も多く、情報を交換しあったりまたよりよい作品にするためにも日々勉強が必要です。

 

さまざまな知識が求められるので、私はメイクアップ以外だとネイル、エステ、ファッション、パーソナルカラー、ブライダル関係、着付けの勉強もしました」

 

体調管理とスケジュール管理が大切

勤務時間や休日が不定期なイメージがありますが、いかがでしょうか?

 

「朝早くて夜遅いということが当たり前にあるので、体調管理が大切になってきます。定期的な休みが確約されている仕事ではないので、体力的に大変なこともあります。また、私の所属会社ではスケジュール管理をしているマネージャーがいますが、フリーの方だと自分でスケジューリングしなければならず、これも大切な仕事の一つです」

 

ヘアメイクアーティストになる方法

専門学校へ通う

ヘアメイクアーティストを目指すにあたっては、まずは美容系の専門学校に通うことがよいのでしょうか。

 

「周りにコネクションがあれば、学校に通わずに師匠となる人のアシスタントについて働くこともできるかもしれませんが、専門学校に通うことが一般的です。私はヴィーナスアカデミーで2年間学びました。1年目は美容全般について勉強して、2年目はヘアメイクを専攻しました」

 

美容系の専門学校はたくさんあると思いますが、ヴィーナスアカデミーに通うようになったのはどうしてでしょうか。

 

「ヴィーナスアカデミーは、現在その業界の最前線で働いている方が講師を勤めているので、最新のトレンドや求められている技術を知るのに一番いいと思って選びました。また、インターン制度があるので、より実践に近い環境でスキルを高められることも魅力です」

 

ヘアメイク事務所に就職・所属し、アシスタントとして働きながら仕事を覚える

 

AdobeStock_386836577.jpeg

 

専門学校を卒業した後の進路や就職先にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

「ヘアメイク事務所に就職・所属する人が多いと思います。経験を積んだうえで、フリーランスとして活動をされる方もいます。まずは師匠にしたい方を見つけて、その方のアシスタントとして働き、技術を身に付けてひとり立ちできるまで勉強します」

 

さまざまな作品を見ながら『この人の元で学びたい』と思える師匠を探す

師匠はどのように見つけるのでしょうか。

 

「日頃からいろいろな作品を見ることが大事です。雑誌でもテレビでも、『このメイクが好きだな』『この世界観が好きだな』というのを考えていくうちに、『この人の元で学びたい』と思えるヘアメイクアーティストが見つかると思います。

 

ただ、希望した方のアシスタントになれるかどうかはご縁とタイミングもあります。私はヴィーナスアカデミー在学中にKOBAさんの講演を聞き、技術以外にも人柄に引かれ、KOBAさんの元で学びたいと思いました。ですが、卒業のタイミングではすでにアシスタントがいたので、すぐに入社できなかったんです。

 

それでも、PUNCHには絶対入社したいと思っていたので、在学中から働いていた美容室でアルバイトを続けながら、美容師免許取得のため通信制の学校に通いました。また、PUNCHでは衣装関連の仕事もあるので、ファッションの勉強をするために、アパレルのアルバイトも掛け持ちしました。卒業から1年半後にPUNCHから内定をもらい、KOBAさんのアシスタントとして入社しました」

 

「技術」と「コミュニケーション能力」を身に付けて、信頼されるヘアメイクアーティストを目指そう!

ヘアメイクアーティストになるには、専門学校などで技術を身に付け、師匠の元で働きながら仕事を覚えることが一般的とのこと。そこから一人前のヘアメイクアーティストに成長するには、技術的な部分も大事ですが、それ以上に一緒に作品を作る人たちへの思いやりが大事だと言います。

 

「仕事を重ねることで、ありがたいことに指名をいただくことが増えてきました。そのなかで、技術以外にも、私のつくる現場の雰囲気を気に入っていただけたり、一緒に仕事をしていて安心するなど、そういった部分を評価していただけることも多いです。モデルさんとも最初から信頼関係があるわけではありません。回数と時間を重ねることで二人三脚のような関係を築き、一緒に目標に向かって歩んでいける素敵な職業です」と倉橋さんは語ります。ヘアメイクアーティストを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

【監修者プロフィール】

講師_倉橋奏音さん.jpg

倉橋奏音さん

2015年、ヴィーナスアカデミービューティスペシャリスト学部入学。2015年10月、大阪中央理容美容専門学校通信科に入学し、ダブルスクールでヘアメイクアーティストとしての技術を学ぶ。2017年3月にヴィーナスアカデミー大阪校ヘア&メイク専攻、2018年9月に大阪中央理容美容専門学校通信科をそれぞれ卒業し、美容師免許を取得。2018年10月、株式会社PUNCH入社し、KOBAさんに師事。現在はモデルやミュージシャンなど数多くのヘアメイクを担当する。

 

この職業を目指すならこのコース

イベント情報

このエントリーをはてなブックマークに追加