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エステティシャンになるには? 仕事内容ややりがい、年収、適正などを解説

職業詳細

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ダイエットやフェイシャルケアなど、さまざまな女性の悩みをサポートする「エステティシャン」。日本人女性の美意識の高まりと共に、10代など若い世代までエステのユーザー層は拡大していますが、気軽に体験できる機会が少ないため、エステティシャンの具体的な仕事内容は見えづらいかもしれません。

 

そこで、美容の専門校ヴィーナスアカデミーのビューティスペシャリスト学部で学び、現在はスリムビューティハウスでエステティシャンとして働いている山田彩良さんに、その仕事内容ややりがいなどを教えてもらいました。

 

エステティシャンとは?

美と癒しのプロであるエステティシャン。まずは、エステティシャンの具体的な仕事内容を紹介します。

 

エステティシャンの定義

一般的には「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと」というのが、エステティックの定義。そんなエステティック業を行う技術者であるエステティシャンは、人々の美と健康をトータルでサポートしていく仕事となります。

 

エステティシャンの仕事内容

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「私が行っているのは主に痩身で、ダイエットを目的としたボディへの施術がメインになります。それ以外にもフェイシャルやブライダルエステも担当しています。他店舗ではエステ脱毛のコースもあります」(山田さん・以下同)。エステティシャンの主な仕事は「施術」ですが、カウンセリングから店舗の管理業務に至るまで、仕事内容は多岐にわたります。

 

カウンセリング

施術を行う前の重要な仕事が、施術を受ける人のニーズを把握するための「カウンセリング」。一人ひとりの体調やニーズに合わせた施術を行い良い結果を出すために、食生活や睡眠時間など、どのような生活を送っているかの情報をしっかりとヒアリングします。

 

同じ女性同士とはいえ、施術中は個室で身体や顔に直接触れながら長時間過ごすため、良好な信頼関係を築くことが大切です。そのため、カウンセリングはとても大事なポイントとなります。まずは、現在の肌の状態や手入れの方法についてヒアリングを行い、どのような身体や肌になりたいのか、という希望を確認しながら、施術コースを決めていきます。

 

「カウンセリングでお客様のいろいろなお悩みを聞く中で、その方のパーソナリティーに触れていきます。実際、施術に入り、お体を拝見させていただきながら、さらに具体的なお話をしていきます。そこからお悩み解決に向けて一緒に考えたり、アドバイスをさせていただくのは、とても楽しいですし大きなやりがいを感じるところでもあります」

 

施術

「施術」の具体的な内容は、ニキビや美白、たるみのフェイシャルケア、痩身やリラクゼーション、ブライダルのボディトリートメント、脱毛などがあげられます。

 

「フェイシャル」では、ベッドに横になった状態で、化粧品や専用の機器・用具を使って肌をキレイにした上で、指や手、腕などを使って、強弱を与えながらトリートメントを行い、血行を促します。その後、パックをして、温めたタオル等で洗い流し、美容液などで仕上げます。

 

全身の手入れを行う「ボディケア」では、顔と同じように背中や二の腕など、全身にトリートメントやパックをしていきます。

 

「美容脱毛」は、脱毛ワックスや専用の機器を使って、むだ毛を処理していきます。

 

一方で、肌荒れやニキビなどの治療は、医療行為となってしまうので、医師免許を持たないエステティシャンにはできません。

 

「やはり、お客様のお肌に直接触れることになるので、自分の手指の温度には気を使います。特に冬場は、乾燥しないように気をつけてケアしたり、お湯に手をつけて温めるようにしています。あとは、爪が長いのは絶対にNGなので、まめに手入れをしています」

 

カウンセリング、施術以外の業務

ホームケア用品の「販売」や一人ひとりに合ったプランの「提案」も行います。リピートしてくれる人を増やすためにも、結果をしっかり出すことが大切です。結果が出てきた過程で、変化していく要望にも都度、中間カウンセリングなどで対応していきます。

 

また、店内の清掃や化粧品、器具の準備、消毒や点検を行うことなどもエステティシャンの大切な仕事のひとつです。施術に必要な化粧品や販売用の化粧品等の在庫管理、SNSなどの対応も行います。

 

エステティシャンの魅力ややりがい、大変なことは?

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エステティシャンという仕事の魅力や、大変なことを伺いました。

 

「キレイになっていくのを間近で見られること」がやりがいに

「もともと細かい作業があまり得意ではなかったのですが、エステティシャンという職業で求められる細かい作業に関しては、不思議と『楽しいな』と思えたのがこの仕事を選んだ一番の決め手でした。お客様の変化が目に見えてわかるところにも、とても魅力を感じています。

一番の魅力だと感じているのは、年齢や職業などが違う、普段お会いできないような方々とお話しして、いろいろなことを学べるということですね。『キレイになる』という目標に向かって長い時間ご一緒して、さまざまなお話をする中で、お客様から多くのことを教えていただきました。そして、お客様がどんどんキレイになっていくのを一番間近で見ることができるのも、やりがいに繋がっています」

 

体も気も使い、アンテナを張ることも大事

「ずっと立ち仕事になりますし、体を使ったり動かしたりするのは、大変ではあります。また、たくさんのお客様とお会いできることは、もちろんやりがいに繋がっていますが、上手にコミュニケーションがとれない時もあるので、そこを乗り越えるまでに苦労することもあります。 

 

そして、エステの技術は研修を重ねて覚えていくのですが、『もっとこうしたい』という改善点がたくさん出てくるので、常に練習が必要になります。また、気使いがとても大事な仕事のため、常に周りを観察し、対応することが必要ですので、精神的には大変かもしれません。施術中にお客様とお話しして行く中で、新しい知識やさまざまな話題が必要になってくることもあるので、そういった面での知識や情報の獲得のために、アンテナを張ることも大事ですね」

 

向いているのは「美容が好きで人と接することが好きな人」

「エステティシャンは、人と接すること、触れあうことが好きな人が向いていると思います。そして、なにより美容が好きで、いろいろな世代の方とお話をすることが楽しいと感じる人、新しい技術を獲得していくことが苦にならない人は、エステティシャンに向いているのではないでしょうか」

 

エステティシャンになるには?

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取得が推奨される資格はありますが、エステティシャンは、国家資格などが必須の職業ではありません。多くの人は専門学校や専門スクールに通うか、働きながらスクールに通うという方法を選んでいますが、なかにはサロンで働きながら学ぶ人もいます。ここでは、エステティシャンになるために必要な技術を学ぶ方法を紹介します。

 

【学ぶ方法1】美容専門学校で学ぶ

学校法人である美容専門学校は、学校教育法に則ったカリキュラムの中で、技術を習得していきます。2年という長い時間を共に過ごす仲間がいるので、お互いに励まし合いながら目標に向かって学ぶことができます。また、就職サポートも充実しています。

 

その一方で、資格取得が必修科目となっている専門学校も多いため、勉強が大変と感じる人もいるでしょう。また、学校法人は80人の学生に対して少なくとも3人の専門教員を配置する必要があるので、現役のエステティシャンが常時講師として教えるという環境はなかなか整っていないかもしれません。

 

【学ぶ方法2】エステティックスクールで学ぶ

国の認可が不要のエステティックスクールは、自由にカリキュラムを組むことができるため、フェイシャルケアやボディケアなど、特定の技術をプロの講師から念入りに学ぶことができます。また、資格によっては認定校での勉強が要件のひとつとなっている場合もあります。受講スタイルも「3ヵ月や1年間の通学」「通信」から選ぶことができるため、仕事をしながら学ぶことも可能です。

 

一方で、少人数制授業だったり、異なる年齢や環境の受講生ばかりだったりと、同じ悩みを抱える仲間を見つけるのが難しい環境になります。

 

ちなみに、美容の専門校であるヴィーナスアカデミーでは、専門学校とは違ってカリキュラムや講師の構成に制約がないため、美容業界で活躍する現役のプロが講師を担当。最先端の技術やトレンドなど、現場に近い授業形態で学ぶことができます。

 

ヴィーナスアカデミーで学んだ山田さんが感じるメリットとは? 

実際に、ヴィーナスアカデミーで学んだ山田さん。授業はもちろん、それ以外の部分でも大きなメリットを感じたといいます。

 

「学ぶ科目によりますが、私が学んだエステティック本科は、実技と座学で半分半分くらいだった印象です。教室で受ける授業とは別で、学校内にあるサロンを使い、実際に集客をして本格的な接客実習ができます。現役で活躍している講師の方々からご指導いただけるので、テキストに基づいた基礎の学習だけでなく、今の時代のお客様のニーズに合わせた学習もできるという点は大きな魅力です。

また、認定校なので、希望すれば多くの資格の取得もできます。

 

さらに、トータルビューティコースの場合、興味のある分野・仕事にしていきたい分野以外も受けることができるため、他の分野の知識も合わせた考え方や提案ができるようになります。それによってエステティックのみを学んでいる時には気付けない、新たな発見・発想ができます。

 

授業のことだけでなく、多くのイベントやフェスがあるため、出し物を考えたりそれに合わせたメニューや内装の準備をしたりと、クラス全体の仲を深める機会がたくさんあるのも大きなポイントだと思います。

専門スクールでは珍しく部活動などもあるため、他の学科や他学年の生徒との交流もできます。私はダンス部に所属していたため、芸能人の方とのコラボや企画、外部イベントでの活動など、エステティック本科にいるだけではできないような経験もたくさんすることができました。これはヴィーナスアカデミーだからできたことだと思っています」

 

【学ぶ方法3】サロンで働きながら学ぶ

「実体験に優るものなし」という考えから、サロンに就職して、働きながら学ぶ方法もあります。最先端の技術を間近で見ることができ、プロがどのように働いているのかをお給料をもらいながら体験できるというのは大きなメリットです。

 

その一方で、専門学校やスクールで学ぶ基礎知識や専門用語などが身についていないことから、慣れるまでに時間がかかる可能性があります。また、求人情報を自分で探すという大変さもあります。

 

代表的な資格

前述の通り、国家資格など、エステティシャンになるための必須資格はありません。ただ、下記の資格を取得しておけば、どのような知識と技術を持っているかが施術を受ける人にも伝わりやすいので、取得しておくのがおすすめです。

 

「日本エステティック協会(AJESTHE)」と「日本エステティック業協会(AEA)」が日本のエステティック業界における代表的な協会で、いずれかの協会の認定資格を持っていることで、就職活動にも役立ち、資格手当のあるサロンなども目指せます。

 

日本エステティック協会(AJESTHE)認定エステティシャン

「エステティシャンセンター試験(4肢択一:マークシート式・100問)の合格者」「協会認定校での300時間以上コースまたは1000時間以上コースの修了、または実務経験1年以上」という両方の条件が揃った段階で、技術力確認試験(フェイシャル/ボディ:手技のみ)に合格後、登録申請することで資格取得となります。

 

日本エステティック業協会(AEA)認定エステティシャン

AEA認定校にてカリキュラムを履修するか、1年以上のエステティックサロンでの実務経験(フェイシャル又はボディ)が必要となり、認定試験(筆記・実技)に合格後、登録申請することで資格取得となります。

 

エステティシャンの将来性

エステティシャンの将来性についても紹介します。

 

給料、年収

初任給は20万円前後が相場です。サロンによって異なるため一概には言えませんが、大手サロンほど平均年収が高くなる傾向があります。また、地方よりも都心のサロンのほうが2万円程給与が高い傾向です。しかし、経験やスキルによって給与に大きな差が出ることから、学歴や年齢に関係なく自分の努力次第で高い収入を得ることができるのがエステティシャンの魅力の1つと言えます。

 

日本の女性の平均年収は男性より100万ほど低く290万程度ですが、場所や規模に関係なく歩合制を導入しているサロンが多いため、エステティシャン全体の年収は290~700万円と比較的幅が広いです。また、自らがオーナーとなってエステサロンを開業する場合は、業績によってさらに幅が出てくるでしょう。

 

将来性

エステ業界はコロナ禍の影響で需要が一時冷え込んだものの、昨年より回復傾向にあり、巣籠需要やマスク生活の影響で痩身や美肌への需要はますます増加しています。さまざまなサービスが細分化され「以前よりリーズナブルな価格で施術が受けられるようになった」「コロナ禍によるマスク生活での顔のたるみが気になる」「在宅で体重が増えた」「リラックスできる環境でキレイになりたい」などの理由から、今までエステを利用してこなかった女性からも注目が集まるようになっているため、今後も市場の規模が拡大していくと考えられます。

 

「よく『将来、AIなど機械に取って代わられる職業がある』という話を耳にすることがありますが、心の通った会話と温かな手による施術は、決して人間以外にはできない仕事だと感じています。日本人女性の美意識の向上も実感しているので、これからも長く続けていける職業だと思います」

 

自分磨きを怠らず、憧れてもらえる存在に!

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「一番楽しいなと思える仕事を選んだ」と、エステティシャンという職業を選んだきっかけを笑顔で教えてくれた山田さん。最後に、エステティシャンを目指す人にアドバイスをいただきました。

 

「今振り返ると、学校の授業で学んだからこそ実際の仕事で戸惑うことなく動くことができたという場面がたくさんあったので、まずは授業にしっかり出席して学びを深めて行きましょう。そして、エステティシャンになりたい方は、エステに関する知識を得るのはもちろんですが、美容全般に関わることや社会情勢など、さまざまなことに興味を持つことが大切です。いろいろな世代の方とたくさんお話しする機会を増やすのはすごく大事だと思います。

 

あと、自分磨きは絶対にしておいたほうがいいです! 私自身もエステサロンで働いているなかで、お客様から『普段はどんなケアをしているんですか?』と聞かれることもたくさんあります。そして、実際に施術してもらうのなら、やっぱり美意識が高い人や好感が持てるエステティシャンに施術してもらいたいな、とおっしゃるお客様もとても多いので、常に誰かに憧れてもらえるような存在になれるよう、日々がんばりましょう」

 

誰かを癒し、自分もキレイになれる。そんな魅力的なエステティシャンとして活躍できるための一歩を踏み出してみましょう。


 

【監修者プロフィール】

山田彩良さん

山田彩良さん

ヴィーナスアカデミーのビューティスペシャリスト学部を卒業し、

現在は株式会社スリムビューティハウスでエステティシャンとして活躍。

お客様の施術やカウンセリングを行い、お客様のお悩みやご要望にあった施術を提案している。

 

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